政策4・都市再生への道すじ

 ■都市空間の有効活用

 ■民間の活力とNPOの導入

 ■老朽化に対するメンテナンス政策


都市空間の有効活用

1、地下空間の積極利用

2001年4月より「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が施行され、大都市圏では約40m以深の地下利用が可能になっています。交通網や下水処理場などの都市景観上の視点から、また蓄熱エネルギーや地下ダムなどの安心した生活の確保の視点からも、地下の利便性を活かしたコストの負担を地域と共に分かち合っていく必要があります。

2、建ぺい率・容積率の緩和

防災上や景観上の観点から建築基準法上、一定の制限が持たれております。しかし、駅前周辺や商業地区にあって低層住宅しか認められないなどの、必ずしも現場の状況に法律がマッチしていないエリアも多々散見されます。商業振興や人口移動を見込んだ新たな視点でゾーニングを行い、建ぺい率や容積率に関する基準法の緩和を行っていくべきです。

3、街に活力と潤いを与えるスペース

台北に行くと目につくのは路上の駐輪スペース。オードバイが利用者の利便性をしっかり支え、それを都市空間に組み込ませて、活気のある街作りに寄与しております。また、豊かな生活空間として公園の存在は欠かせません。緑溢れる憩いの場として、そして各種おりなすイベントの空間として、さらに万が一の避難場として最大限その機能を果たしていくべきと考えます。そのためには、駅や商店街、さらには文化施設からのアクセスを円滑にした、面的な公園整備を進める必要があります。

◆民間の活力とNPOの導入

1、従来路線からバージョンアップ

社会的な役割を果たす主体を大きく分類すると、パブリック「官」とプライベート「民」の2つに分かれます。毎年借金をしなければ維持できない「官」のコストを縮減するためには、民間の企業や団体に仕事の一部を低コストで担ってもらわねばなりません。特定の業に精通している団体組織や国家資格をもつ業(いわゆる士業関係者など)に携わる方々の英知と経験を、行政運営面で採り入れる必要があります。そして「官」そのものの役割は、運営・プロセス上のチェック機能を持つことに集約させます。

2、民間サイドによる行政評価と市場化テスト

市場化テストというと、通常は行政の仕事を民間が請け負うという方向です。行政と民間ではどちらが安くできるか、という側面がありますが、肝心なのは質的な面の担保です。そして、行政の全事業についてその目的・内容を調査し、その結果に基づいて住民満足度を高めるために広く住民と意見交換を行いながら、最もふさわしい担い手を選ぶ「協働化テスト」も積極的に採用していく必要があります。

3、道州制移行期におけるNPOの役割

国家公務員から地方公務員へ、そして民間への委託と転換していき、総合的な行政コストの削減を目指していかねばなりません。行政サービスを民間分野が預かる際、NPOの果たす役割はかなり大きいものと期待します。したがいまして、行政はNPOが活動しやすいような場作りを進め、他方外部によってそのチェック機能を働かせて、健全なNPO組織の普及・拡充につなげます。

◆老朽化に対するメンテナンス政策

1、時間軸の中での管理システム

高度成長期以降のインフラ財産が老朽化、陳腐化しているのは周知の通りです。 まずは効率的な維持管理の仕組みを整えることを出発点において、各所に散在するインフラや公共施設の状態を定量的に把握・評価して、中長期的な予測を行います。

2、民間資金をインフラ投資に

 

財政状況が厳しい自治体からすれば、民間からの資金は願ったりかなったりです。しかし投資する側から見れば、将来の安定性や規模を重要視しますので、比較的お金を出しやすい「ミニ公募債」を発行して、地域の住民や企業に購入してもらう機会を広く設定します。

3、国や自治体間の施設運用情報の開示

公共施設にどの程度のコストをかけるのが適正化なのかは、個々人では判断が分かれます。したがいまして、国や自治体の所有する公共施設の利用状況に関する基礎データを開示させて、比較検討の俎上に上げ、将来的に維持管理が妥当か否かの判断材料にします。